『限界国家』人口減少で日本が迫られる最終選択 毛受敏浩
過去読の本です。
移民受け入れについて考える本。
今後の人口減少
2010年代は、△273万人
2020年代は、△620万人
2030年代は、△820万人
2040年代は、△900万人
2050年代は、△910万人
日本はすべての面で急速に縮小。国の仕組みそのものが大きく変わることが予測できる。
65歳以上の高齢者人口はすでに3,461万人 総人口の27,3%。
80歳以上の人口は1,000万人を突破。
2020年には1,173万人、さらに10年後の2030年1,571万人。
そこで今後問題なのは高齢者の一人暮らしの孤独死。
医師不足に岩手県・一戸町は、ベトナムで難関校を卒業したベトナム人女性を日本に呼び寄せ、日本語の専門学校に通わせて、その後、医大に入学させて地元で働いてもらうという遠大な計画を実施している。8年計画で2,000万円以上かけて育成する。
日本の年金制度は、27か国中26位(マーサー・メルボルン・グローバル年金指数)
最下位はアルゼンチンで、日本はインドや中国より下。
外国人労働者の受け入れは、日本のGDPを引き上げる。
受入れが120万人の場合、1,6%(8兆円)、300万人の場合は3,8%(20兆円)、1,000万人の場合は13,4%(71兆円)。
一方、日本から海外へ移住する人の数は増加傾向。
2015年10月現在、海外に住む日本人は132万人。
毎年1万人以上が新たに海外で永住者の資格を得ているが、2015年には前年費2万596人増と急増。
これ以上詳細を書くと長くなってしまうが、著者の主張は積極的に受け入れるべき。そうでないと日本の経済やあたりまえのサービスさえ供給されなくなる。
外国人の受け入れについては、犯罪や様々な懸念があるが、これは受け入れ側の問題もある。地域に根付くように受け入れ側の地道な活動・支援が必要。
受入れはできる限り親日のアジアの人を中心に。年数を区切る技能実習生ではなく家族で定住できるような施策を。
それでも次のデータについて日本は考えなおすべきところがあると思う。
ベトナム人青年の対日感情
来日前
「とてもよい」63%
「まあまあよい」34% 合計97%が好印象。
来日後
「とてもよい」8%
「まあまあよい」50%
「あまりよくない」37%
多くの技能実習生は、会社に知られることを恐れてアンケートにも協力したがらなかったとのこと。
日本をきらいになる技能実習制度に問題があると・・・。
シンガポールは移民の割合が4割近くを占める。経済面で多大な成果を上げていることは事実。
感想
以前から技能実習生制度については問題があると思っていた。日本国が低賃金の労働力を継続的に得られるような都合のいい制度。かれらはほぼ帰国後その技術を生かした仕事にはついていないだろう。
経済を回すには何とっいっても人口が問題。高付加価値の技術ももちろん大事だけれども、過去のデータを観れば人口が日本の経済発展に多大な影響を与えた。移民を受け入れに反対して人口が少なくなればそれなりの国を目指せばよいという人もいるかもしれないが、その前に社会システムが崩壊することは確実だろう。移民以外の対案を示せる人は正直いないだろう。しかしもっと深刻な問題は移民を増やしても持たない可能性もあること。海外の国々も少子化が進みそもそも日本に移民として来る人も少なくなる可能性は今後高くなる。