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文行忠信(ブログ)

 

榎本義法個人のページ。市長の公式な立場は市のHPで。

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思考の整理学
2020-08-08
5月20日の乱読のセレンディピティに次いで2冊目の紹介。
 
著者がお亡くなりになられたとのこと。この本を紹介しないわけにはいかないと勝手に思ったので。
謹んで哀悼の意を表しご冥福をお祈りいたします。
 
思考の整理学 外山滋比古
 
学校はグライダー人間の訓練所。飛行機人間は作らない。
受動的に知識を得るのがグライダー人間。自分でものごとを発明、発見するのが飛行機人間と。
 
ギリシャ人が人類史上最も輝かしい文化の基礎を築き得たのも、かれらにすぐれた問題作成の力があり、“なぜ”を問うことができたからだといわれる。
 
創造性がやかましく言われるようになったのは、グライダー人間があふれているから。
 
思考については、寝させるほど大切なことはない。思考を生み出すにも、寝させるのが必須であると。これは、誰もが経験があるのではないかと思う。
 
「思考の整理には、平面的で量的なまとめではなく、立体的、質的な統合を考えなくてはならない。この本で、着想の醗酵などについて、ことにくわしく考えてきたのは、この点を考えたからである。これを思考の純化と言いかえることもできる。」
 
この本でかつて赤線を引いて、時に挨拶でも使ったことがあるのが「時の試練」のタイトルの章。
「島田清次郎は大正の文学青年から見て、まさに天才であった。それを疑うものはすくなくなかった。それがどうであろう。僅か六十年にして、ほぼ、完全に忘れられてしまった。当時としては、むしろ、夏目漱石の文学について疑問をいだくものが多かった。批判もすくなくなかった。それがいまでは国民文学として、近代文学においても比肩しうるものなしと言われるまでになっている。(中略)時が経てば、たとえ微少でも、風化がおこる。細部が欠落して、新しい性格をおびるようになる―――これが古典化の過程である。原稿のときとまったく同じ意味をもったままで古典になったという作品は、古今東西、かつてなかったはずである。かならず、時のふるいにかけられて、落ちるものは落ちて行く。」
文学作品だけではないと思う。つくづく思うのがいろいろな団体の活動、最初の設立の趣旨、活動の実態、本当に残るものは残ると思う。普遍的な古典化した活動として。
 
忘れる、すてるということを思考の整理としてあげている。
「たえず、在庫の知識を再点検して、すこしずつ慎重に、臨時的なものをすてて行く。やがて、不易の知識のみが残るようになれば、その時の知識は、それ自体が力になりうるはずである。
 
論文のとにかく書いてみるは納得。
大学院時代に論文の構想発表があるが、構想だけで書きだしていない人は、結局2年間で書けない。とある教授がよく言われていた2年間で書けない人はだめ。年限を守るということが第一だと話されていたことは忘れない。2年で論文を書けなかった人達を近くでみてきた。その後のことは知らないのだが。
 
ことわざについて。
どこの国においても、おびただしい数のことわざがあるのは、文字を用いない時代から、人間の思考の整理法は進んでいたことを物語る。
 
そんなことでいくつかことわざを選んで今の自分の立場からコメントして終わりにする。
・災害は忘れたころにやってくる
これは常に頭に入れておかないといけない。
 
・天知る地知る我知る人知る
これからもクリーンに生涯にわたって恥ずかしくない政治を。
 
・綸言汗の如し
これは常に緊張感をもって言葉を選んでいかないと。
 
 
 
大統領のリーダーシップ
2020-08-05
大統領のリーダーシップ    ジョセフ・ナイ
 
T・ルーズベルト
タフト
ウイルソン
F・ルーズベルト
トルーマン
アイゼンハワー
レーガン
ブッシュ(父)
8人の通信簿
 
オバマも出て来る。
2014年10月発行。

外交政策の最大の問題は状況の複雑さであり、リーダーは国際システム全体におよぶ影響だけでなく、複数の社会の内政の複雑さも理解しなければならない。この追加の複雑さゆえに、アリストテレスの中庸の徳―――過剰と不足を避けること―――が特別な重要性を持つのである。
 
21世紀のアメリカの役割に関する課題は、お粗末に定義された「衰退」という問題ではなく、状況把握の知性を磨いて、世界最大の国でさえ他国の助けがなければ己の望む結果を実現できないということを理解することだ。このグローバル情報時代の環境で国民がそれを理解してうまくやっていくようにするために、国民を教育することが、大統領のリーダーシップのもっとも重要な課題になるだろう。
 
この帯が利くね。
パフォーマンスより状況把握の知性を磨け!
 
最高指導者の条件
2020-08-01
最高指導者の条件 李登輝
 
改めて読み直してみた。
別の本は、台湾にサインをお願いておいてきたもの。
おこがましいお願いをしたものだ。
今の立場で参考になる言葉がとてもたくさん。
 
周囲の人が冷ややかな目で見るなか、政治家の仕事とは一方で泥を飲みながら、もう一方でそれを吐き出すようなものである。いつまでも潔白でいるのは、天に昇るより難しい。それでも原則を堅持するよう努力しなければならない。実践すれば、「薄情だ」と批判されるかもしれない。それでも厳正な姿勢で臨まなければ、理想的な政治を進めることはできないのである。
 
一つのことを決断する際、「私がいない場合、私以外の人たちが最も良い方法を採用するとすれば、どうなるだろうか」と考えるのである。
 
賢人たちの名著を通じて形而上学的な世界を彷徨い、思索し、苦悩呻吟しながら精神的成長を遂げていった。
 
「勇気」と同時に、対で求められるのが「心の平静さ」である。緩急あるなかで、いかに心を落ち着けた状態を保てるか。これが適切な判断を下さす基にもなる。
 
指導者は、中央にいて官僚から上がってくる意見で判断すべきではない。現場での生の情報に接し、迅速に決断することが求められるのである。
 
もともと真の意味における「個人主義」とは、個々の人間が相手のことを思いやりながら調和のとれた社会生活を送ることであり、みずからのことしか考えない「自分勝手主義」とは似て非なるものである。
皆に理解してもらえない言葉は使わない
 
指導者たる人々は、もっと自信をもって、自らの意志で決断と語ってもよいのではないだろうか。目の前にあることを一つずつ誠実に、自己の良心と信念だけに基づいて着実にあり抜く。結局、それ以外にはないのである。
人を動かす指導者は、誠実さをもって相手に接することが求められるのである。
 
政治家が心しなくてはならないのは、問題に直面したとき「直線で考えない」ということだ。目的地へ辿り着くための直線を引くことをやめ、最短距離を見つけようとはせず、むしろ回り道を見つけ出そうと務める。ことに目標が大きければ大きいほど、迂回作戦が必要であり、直線的な発想は慎む必要がある。
 
精神修養の重要性をも強調したい。現在の日本社会を見たとき、指導者に求められる精神修養が軽視されているのを感じる。合理的な発想からすれば、「知識」や「能力」さえあればよいのかもしれない。だが、人間は、それほど簡単なものではない。
 
政治家は時に能力や利害を無視できなければならない。そのためには大きく太く、物事を把握しなければならない。それがあって初めて大局観が持てるし、洞察力も生まれるのだ。大事なのは、現実の社会を見据え、その問題をはっきり認識し、「日本をよくしたい」という信念をもって積極的に社会に問い掛けることである。
 
「政治改革や行政改革を行えば、この国はよくなる」。その確固たる信念や哲学をもっていれば、どんな困難を排してもやり遂げるという決意も固まる。それが、「いまやるべきことを、断固としてやり抜く」という行動力にもつながるのである。
 
昭和16年夏の敗戦
2020-07-30
昭和16年夏の敗戦 猪瀬直樹
 
なぜ昭和16年なのか?もちろんこの本のポイントはそこにある。
「失敗の本質」(前回紹介)とこの本は日本軍の意思決定の問題を浮き彫りにしている。
戦後75年、未読の方にはこの機会にどうぞ。
 
昭和15年10月「総力戦研究所 勅令をもって公布される 内閣直属機関として発足」
 
研究生は官民各層から有為な青年を抜擢したもので、向こう一年間研究所で、武力戦、思想戦、経済戦、国内政策、対外戦略など国家総力戦実行上の必要な訓練を受けことに。
 
総力戦研究所研究生が模擬内閣を組織し、日米戦日本必敗の結論に辿り着いたのは昭和16年8月のこと。これがタイトルに。
 
この模擬内閣が今日評価されるとしたら、彼らが事態を曇りない眼で見抜き予測した点にある。その予測を可能にしたのはタテ割り行政の閉塞性をとりはらって集められた各種のデータであり彼らの真摯な討議であったと。
 
しかしその成果は生かされることはなく「日米戦日本必敗」という結論が密かに三十五人の胸の内にしまいこまれた。
なぜ生かされることがなかったのか、当時の政治、軍部などを追ったのがこの本の内容。
お勧めです。
 
失敗の本質
2020-07-29
失敗の本質 日本軍の組織論的研究
 
この本は多くのおすすめ書籍ランキングで目にする本ですね。
一章は、ノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ会戦、沖縄戦について。
 
二章は失敗の分析がされています。
 
第三章失敗の教訓から
 
組織の環境適応理論によれば、ダイナミックな環境に有効に適応している組織は、組織内の機能をより分化させると同時に、より強力な統合を達成しなければならない。
 
つまり、「分化」と「統合」という相反する関係にある状態を同時に極大化している組織が、環境適応にすぐれているということである。
 
戦略・戦術のパラダイムは、組織の成員に共有された行動様式、すなわち組織文化にまで高められる。組織の文化は、取り立てて目をひくでもない、ささいな、日常の人々の相互作用の積み重ねによって形成されることが多いのである。
 
組織の価値が指導者の日常のリーダーシップ行動を通じて伝承されていくのである。
 
進化する組織は学習する組織でなければならないのである。組織は環境との相互作用を通じて、生存に必要な知識を選択淘汰し、それらを蓄積する。
 
行政官庁についていえば、タテ割りの独立した省庁が割拠し日本軍同様統合機能を欠いている。このような日本の政治・行政組織の研究は、われわれの今後の課題である。
 
組織の「統合」を「分化」とともに極大化していくこと。これ富岡市の課題でもある。ある部長との会話の中で、そして社会人採用の新人職員からも統合に関して意見を聞く機会があった。
さて、どう進めていくか。
 
 
 
 

本棚の前の机

本棚の前の机
 

写真の書斎のタイトルについて

写真の書斎のタイトルについて
 
「本棚の前の机」の由来
思えば読書というものは贅沢な話だ。
新しい、または古くからの友人や先生が、いつでも傍らにいてくれ、私の知らぬ創造の世界を開いてみせてくれる。
しかも彼らは決して死なないのだ。「本棚の前の椅子 福原麟太郎」
 
ここからいただいて、椅子を机に代えた。(笑)
 
書斎の写真や本棚も少し前の写真です。整理できなく横積みが増えてしまっています。
 

今日の一言(過去、660日間の一言です)

今日の一言(過去、660日間の一言です)
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自分を追い込む
2013-11-14

平成25年11月14日

今日の一言(612)

『この豊かな時代に、新たな活路を開くには、自分を極限まで追い込める強さと勇気を持たなければなりません。』(『成功への情熱』稲盛和夫)

まだまだ追いこまないとだめだな・・・。

 
幸運は
2013-11-13

平成25年11月13日

今日の一言(611)

『幸運をエサにするような人は信じないこと。幸運は売り物でも、道具でもないのだから。』(『Good Luck』アレックス・ロビラ フェルナンド・トリアス・デ・ベス)

日々、自分で種まき、水やりです。きっとその先に・・・。

 
2013-11-12

11月12日(火)

今日の一言(610)

『情報弱者と情報強者の間では、「未来を見る力」に決定的な差が生まれてしまう。情報に鈍感な人が損をするのは当然のことなのだ。』(『ゼロ』堀江貴文)

昨日につづいてホリエモン。個人、企業、行政どれにも当てはまる。

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